全国アマモサミットについて

 「全国アマモサミット」とは、「アマモ」と「アマモ場」を象徴的なキーワードとして、海の自然再生・保全を目指して毎年開催されている会議です。
 これまで全国各地の海とその沿岸地域が“抱える課題”をテーマに、市民、高校生、地域団体、行政、研究機関など、職業や立場、世代が異なる様々な分野の皆さんの活動紹介と意見交換が行われています。

全国アマモサミット2023 in ふくおか 設立趣意書

 博多湾は人口約160万人を有する福岡市に面しており、藻場・干潟・砂浜などの豊かな自然に囲まれ、福岡・博多の街はこれらの恵みを受けて発展してきました。また、古くから大陸との玄関口として物流・人流の両面で日本と世界各国を結ぶ拠点として重要な役割を担っています。

 私たちの生活は現在でも身近な海、山、川から様々な豊かさを得ています。物流に代表されるような経済的な豊かさだけでなく、海の恵みを直接享受する漁業やマリンスポーツ、海辺でのレクレーション、夕日に照らされる博多湾、砂浜でたたずむ親子の姿を生み出すのも博多湾の大切な役割です。福岡・博多の発展を支えた沿岸域の自然環境が私たちにもたらす豊かさを、もう少し長い時間の流れでとらえ、失われつつある沿岸環境の価値に改めて目を向ける必要があるのかもしれません。それは経済的な豊かさだけを追い求めていては見えにくい部分かもしれませんが、今、博多湾を利用している私たちにはその責任があり、すべての市民で手を取りあって里海づくりのスタートラインに立つことが求められています。

 私たちは平成30年に「豊かな博多湾の環境を次世代に引き継いでいくこと」を目的に様々な主体が共働 ・連携して取り組む「博多湾NEXT会議」を設立しました。アマモ場の保全は「博多湾NEXT会議」の設立のきっかけともなった活動で、アマモは博多湾の発展とともに失われてきた沿岸環境を象徴する植物でもあります。アマモ場を取り巻く「多様な生き物」「海の健全さ」「陸の豊かさ」「ブルーカーボン生態系」など機能の保全は、SDGsの達成 に向けた取り組み、脱炭素社会の実現につながります。 まずは多くの人にこれらを楽しみながら知っていただく必要があると考えています。

 全国アマモサミットは2008年より日本各地で開催されており、アマモを象徴とした身近な山川里海に関する取り組みの情報発信や団体の交流が行われています。この度「博多湾NEXT会議」の有志を中心として、博多湾を舞台に私たちの取り組みを全国に発信し、さらに全国での取り組みを学び活かす機会として、令和5年10月に「全国アマモサミット2023 in ふくおか」を博多湾で開催することとしました。本サミットをきっかけとして博多湾に関わるすべての人が身近な自然環境に目を向け、これまで見聞きすることもなかった博多湾の魅力や課題に気づき、山川里海の繋がりや私たちの生活との共生を考え新たなスタートラインに立つこと、そして様々な世代が交流し豊かな博多湾を次世代に引き継ぐことを目指し、「全国アマモサミット2023 in ふくおか 実行委員会」を設立いたします。

令和4年12月5日
全国アマモサミット2023 in ふくおか実行委員会
実行委員長 大神弘太朗

 
 
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